2015.5.16 UP

にゃんこのタケちゃん物語
〜その8〜

「んーー…」
おねぇちゃんは、何か胸に圧迫を感じて目を覚ました。
目に飛び込んできたのは、三角のピンクの鼻。つり上がった目。
ピンと横にのびた、ひげ、ひげ、ひげ。
「タケちゃん……、重たい」
何か言いたげに鼻を近づけてくる。
鼻息が口元にかかる。
少し魚くさい。
「ご飯食べたばっかりやな?」
おねぇちゃんが息をするたび、タケちゃんが上下に動く。
それが心地よいのか、タケちゃんは眠り始めた。
おねぇちゃんも再び眠った。
おいおい、おねぇちゃん、いくら休みだからって、
いつまでも寝てるんじゃない! 起きなさい!

寝相の悪かったおねぇちゃん。
タケちゃんが上に乗って寝るようになってから、
寝相が良くなった。
タケちゃん、ありがとう。
これで、ベッドから、落ちることなくなった。
壁で頭を打つこともなくなった。
逆さまに寝ることもなくなった。
だけど、タケちゃん、おねぇちゃんだって、早起きするんだよ。
おねぇちゃんが起きるからって、文句を言わないでほしいな。

おねぇちゃんの胸をまくらに
気持ちよさそうに寝ているタケちゃん。
ぐっと背伸びをしたときに、おねぇちゃんのあごを
その気持ちいい肉球で押したね。
おねぇちゃんは、ぷにっとした肉球は気持ちよかったんだけど、
だけど、タケちゃんは、焦っていたね。
「あっ」
という顔をしていたけど、何事もなかったように
再び眠っていたね。
そこが、タケちゃん、だね。うん。


2015.5.16 改訂版UP どちゃん!著


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