任侠ファンタジー(?)小説「光と笑顔の新たな世界・復活編」

序章 喜び
第十五話 前兆。

真夜中に、ドカ雪が降った。
雪が止んだのは、白々と夜が明けた頃だった。
大急ぎでゲレンデの整備に掛かる整備士達。その様子を支配人室から、まさが見つめていた。
窓から、朝日が差し込んでくる。

「今日は、集中しそうだな。…よし、がんばるか!」

そう言って気合いを入れた、まさは、支配人室を出て行った。

早起きの客と挨拶を交わし、ロビーへと足を運ぶ。そこはすでに、動き始めていた。

「おはようございます」
「おはよう。今日はゲレンデへ向かうお客様が増えると
 思われますので、準備をお願いします」
「すでに取りかかっております」
「ありがとう」

従業員の言葉に、まさは、微笑んだ。

「それと、支配人」
「はい」
「今日から二日間、休暇を取られたはずですよ」
「真子様が起きる時間は、一時間後ですので、
 それまでは、仕事をしようと思ったのですが…」

周りを見渡した、まさ。自分が常に気を払っている部分は、すでに、従業員が行っていた。

「みなさんに任せても良さそうなので、お言葉に甘えて
 休暇するとしますか」
「はい。羽目を外さない程度に」

にっこり微笑んで従業員が言うものだから、まさは苦笑い。

「では、宜しくお願いしますね」

そう言って、まさは支配人室へと戻っていった。
時刻を確認する。

……暇だな……。

再び、窓の外に広がるゲレンデを見つめる、まさは、一番乗りでゲレンデを滑降する人物に気付いた。
その人物は、まさに気付いたのか、手を挙げた。

珍しい………。

まさの脚は、再びロビーへ、そして、ゲレンデへと向かっていた。



まさがゲレンデに着いた時、一番乗りで滑降していた客は、二度目の滑降をしていた。まさの姿に気付き、猛スピードで近づき、急ブレーキ。
雪煙が、まさを襲った。

「……あのね………」
「そこに居るのが悪い」
「向かってきたでしょうが。それにしても、こんな時間から…」
「ええやろが。俺だって、たまには、ゆっくりと滑りたい」
「はいはい」

邪険に扱う、まさだった。

「今日は、どうするねん」
「今日は、どうされるんですか?」

二人の声が重なった。
まさは、挙手をして応える。

「休暇ですので、私が、あなたの代わりですよ。
 二人のママさんには、こちらでゆっくりして頂きたいですし、
 二人のパパさんも、思いっきり滑りたいでしょうから」
「それで、お前は、目一杯、二人の子供とはしゃぎたいってか?」
「いけませんか?」

開き直ったような口調に、

「休暇になれば、ええけどなぁ」

からかうような口調で返すのは、真北だった。

「それで、あなたは…」
「こっちでも仕事があるからなぁ」
「勝手に作らないでくださいっ! それでなくても、月に二度は
 足を運んでおられるというのにっ」
「ええやろが。それよりも、どうするねん」
「どうって…」
「一人で行かせるつもりなんか? 天地病院に」
「既に向かいましたよ。気付いてなかったんですか?」

キルが、一人で天地山に向かったことを、真北は知らなかったらしい。そのことは、真子も知っているのに、真北だけが気付いてないということは……。

「………本当に、くつろがれてた……珍しい……」

目一杯、くつろいでいたようで…。

「ええやろがっ」

そう言って、リフト乗り場へ向かっていく真北。雪を蹴る雰囲気に、怒りを感じていた。

「あぁ、まさぁ」
「はい」
「今日は頂上、大丈夫なんか?」
「向かうときは、ご一緒しますから、ご安心を」
「美玖ちゃんと光一くんには、誰が?」
「くまはちに任せますよ」
「俺と一緒に行動するのに?」
「えっ???? って、それは、お嬢様が怒りますっ!」
「すでに、怒られとった」
「さよですか……」
「考えとけや」

真北はリフトに乗って、上へと向かっていった。

ったく…。

フッとため息を吐いて、まさは、上を見上げた。
そこは、客室のベランダ。八階のとある場所から一人の男が、ゲレンデを見つめていた。その男が下にいる、まさに目線を移した。軽く手を挙げて、

俺とむかいんが居るから、気にするな。

そう口を動かした。
まさは、安心したように笑みを浮かべて、ロビーへと戻っていった。



「…芯〜、おはよぉぉ」

ベランダに出ている、ぺんこうに向かって、目覚め一発、真子が言った。
ぺんこうは、すぐに部屋へと戻ってくる。

「早起きやなぁ。美玖は、まだ寝てるぞぉ」
「うん…。真北さん、どう?」

一番乗りで滑降している真北に、気付いていたらしい。

「元気ですね」

素っ気なく応える、ぺんこうに、真子は安心した表情を浮かべた。

「真子」
「ん?」

背伸びをしながら、返事をし、隣で眠る美玖の頭をそっと撫でる。

「あまり、くまはちに怒らないであげてくださいね」
「どうして?」
「怒れば怒るほど、くまはちは躍起になりますから」
「解ってるよぉ。でも、強く言わないと、くまはち…、
 昔以上に、無茶するんだもん」
「動き回るのが性なんですから。そっと見守ることも
 必要ですよ」
「…考えとくぅ」

そんな真子の側に腰を下ろし、額に軽く口づけをし、抱き寄せるぺんこう。

「今日は、理子ちゃんと、目一杯楽しんでくださいね。
 美玖と光一くんは、まさと楽しむそうですから」
「うん。……芯とむかいんは、どうするん?」
「目一杯、滑りますよ。久しぶりですから」
「そっか。仕事では、滑れんかったっけ」
「生徒に教えるばかりで、自分の思うようには、滑れませんから」
「…楽しんでやぁ」
「真子もやでぇ」
「……らぶらぶぅ………」
「!!!! 美玖っ!」

目を覚ました途端、目の前にラブラブイチャイチャな二人の姿を観て、朝の挨拶よりも先に、発した言葉に、慌てて離れる、真子とぺんこう。

「おはよう、美玖」
「おはよぉ、ママ、パパ! みんな、おきたん?」
「光ちゃんも起きてるみたいだよ。ほら、早く準備しないと、
 遊ぶ時間が減っちゃうぞぉ」
「かおあらってくるぅ」

美玖はベットからゆっくりと降りて、洗面所へと向かっていった。洗面台の下には台が置かれていた。それに乗ると、美玖が届く高さになる。水がはねないように、ゆっくりと水を出し、顔を洗い始めた。




廊下に出ると、隣の部屋の理子たちは、既に廊下で待っていた。

「おはよぉ、こうちゃん」
「みくちゃん、おはよぉ」

元気よく挨拶をして、歩き出す子供達。

「真子、本当に、支配人に任せててええの?」
「まささん、そのために休暇取ったんだから、
 任せへんかったら、すねそうやわ」
「そっか。ほな、任せっきりにするで」
「うん。たぶん、雪まみれになると思うから、それは覚悟しとこぉ」
「そうやなぁ」

話しながら、レストランへと向かっていく真子達だった。

「おはようございます。朝食の準備、できております」

丁寧に迎える店長に、真子達は笑顔で挨拶を交わしていた。




真子達が思った通り、まさと一緒に雪の上ではしゃいでいる美玖と光一は、雪にまみれていた。
初めて目にするドカ雪に、美玖と光一は、はしゃぎまわっていた。

「美玖ちゃん、そこは!!!」
「むぎゃっ!」

美玖は、ふわふわした感じの雪の上に向かって走り出し、深みにはまってしまった。
急いで美玖を助け出す、まさ。

「はまったぁ」

ちょっぴり驚いた表情をしていたものの、楽しかったのか笑っていた。

「ここは、踏み固めてないから、ダメだと言ったでしょぉ」
「ごめんなさいぃ。でも、たのしかった。まさしゃん、もいっかい!」
「仕方ありませんね。どうぞ」
「きゃはは! むぎゃん!!」
「きゃん!!」

光一も同じように、深みに向かっていた。

「うごけないぃ」

二人とも、胸まで深みにはまっていた。

「どうしようかなぁ。そのままにしておこうかなぁ」

まさが、ちょっぴり悪戯っぽく言う。

「やだやだぁ。だしてぇ」

楽しそうに言う美玖と光一、その二人と一緒にはしゃぐ、まさ。
その三人を、二人のママは、ロビーにある喫茶店から見つめていた。

「大丈夫なん?」

雪の深みにはまって遊ぶ子供達を心配する理子。

「大丈夫。踏み固めてないと言ってるけど、あの場所は、
 深みにはまって遊ぶ場所だから、安全だもん。私が
 はまった頃は、本当に、立ち入り禁止だったけどね」
「はまったんだ…」
「楽しくて、駆けだしたら、あの場所だった。助けに来た
 まささんの手を引っ張って、引きずり込んでしまったけどねぇ」
「真子の方が、悪戯っ子やん」
「その時からかなぁ。あのように、遊ぶ場所にしたのは」
「ふぅん。そういや、危険そうな場所は、本当に入れへんよな」
「そりゃぁ、安全第一ですからねぇ」

天地山は、裏事情に詳しい者しか知らないが、阿山組の管轄。阿山組のトップである真子は、知っていて当然のことだが、まさは、本当に危険なことは、真北には伝えるが、真子には伝えていなかった。真北が、月に二回訪れるのは、そのことも関連している。

「降りてきたで」

ゲレンデを滑降してきたのは、ぺんこうとむかいんだった。喫茶店に、真子と理子の姿を見つけて、手を振ってきた。

「なぁ、真子。後で頂上行こうやぁ。うち、滑れるで」
「例の場所、みんなで行こう! 美玖と光ちゃんが、あれに飽きたら
 行くつもりだもん」
「なかなか、飽きへんで、あの二人…」
「……まささん、子供が飽きさせないの上手いからねぇ」

二人のママが言うように、美玖と光一は、まさと一緒に、はしゃぎまくっていた。

「お昼ご飯は、中腹の予定なんだけどなぁ」

呟く真子だった。




お昼。
真子が予定していたように、真子達一行は、天地山の中腹にある喫茶店へと来ていた。

「お待たせ致しました。スペシャル五つとお子様スペシャル二つです」
「おぉぉ!! すごいっ!」

目の前に出てきた料理を観て、うっとりとする真子と理子。

「お昼ご飯にしては、豪華やな」

思わず呟く、ぺんこうとむかいん。

「みてみて、ゆきだるまん!!!」

お子様スペシャルを観て、大はしゃぎする美玖と光一。
それぞれが、

「いただきます!」

心を和ませる一時を、過ごしていた。




天地山の頂上から見渡す景色は、一面真っ白。
何もかもが白紙に戻されるような気持ちになる。
そこを一望できる場所に、真子達はやって来た。

「うほぉぉおわぁ」
「おぉぉおおお」

初めて目にする者は必ず、その景色に言葉にならない声を発する。そして、魅入ってしまう。

「久しぶりだぁ」

真子は、背伸びをし、景色を眺めた。

「変わらないな…」

真子が呟いた。

自分は、かなり変わったけど…。

親という立場を長年過ごしてきた。今でもまだ、その立場に居る。だけど、世間一般でいう、親になった。それは、今まで以上に大変な立場であることは、解っていた。
『育てる』ということが、大変だということを肌で感じた。
相手の気持ちが分からない、こちらの言いたいことが通じない。今まで経験したことだけど、それは、相手にも言葉があるから、話す、聞く、ということで、分かち合うこともできた。ところが、相手は、何も持たない、いわば、『真っ新な』状態。無機物に対してなら、自分が書き込めばいいのだが、そうはいかない。
四苦八苦するかに思えたものの、自分もそうだったと思うと、気が楽になった。
幸いにも、自分の周りには、その経験者がたくさんいた。
色々と教わり、それをアレンジして、自分も『母親』として成長してくのが解った。
だけど……。

真子は、ちらりと美玖を観た。
美玖は、光一と、その二人を守るように立っている、まさと一緒に、景色を眺めている。
時々、まさに何かを尋ねる子供達。まさは、優しい眼差しで、応えていた。
遠い昔に、観たことがある。
真子は、フッと笑みを浮かべて、景色に目を移した。

 懐かしいですね…。

ふと、聞こえてきた声に、我に返った。
その声に聞き覚えがある。

 お嬢様にも、こうやって、教えていたなぁ。

再び聞こえてきた声に、真子は振り向いた。

「真子、どうした?」

真子の表情に気付いた、ぺんこうが真子を呼ぶ。

「…芯……」

その声に、ぺんこうは首を傾げた。

「もしかしたら……」

そう口にしたとき、

「ママ!!」

美玖が慣れない雪の上を歩いて、真子に近づいてきた。

「あのね、あのね…」

そう言って、小さな声で

「うさぎさん、そこにいる!」

美玖が指さす。そこには、うさぎの親子の姿があった。
まるで、自分達の今の姿を真子に見せに来たような雰囲気だった。真子を見つめ、何かを語っているようにも見える。

「……うさぎって、長生きしたっけ????」

その昔、うさぎを助けたことがある。その後に、うさぎに触れそうにもなったことがある。ここに来ると、何度か姿を見せてくれるうさぎ。そのうさぎが、全部同じなのかと、一瞬思った真子。

「長生きするうさぎも居るでしょうが、十年ほどかと。
 恐らく、その子孫だと思いますよ」

まさが、優しく応えた。

「そ、そうだよね…びっくりしたぁ」
「真子様のことを、ずっと伝えてるんでしょうね」
「そうなんだ。お久しぶりぃ」

うさぎに声を掛けて、手を振る真子だった。

「ママのおともだち?」
「友達の子供かなぁ」
「こどものこども??」
「そうかもよぉ」

真子と美玖、そして、光一が、うさぎにゆっくりと近づく。うさぎは逃げることなく、真子達を見ていた。時折、鼻をひくひくとさせ、何かの匂いをかいでいた。それはまるで、真子達のことを記憶に留めるかのような雰囲気だった。

「子孫に教えてるって、案外、当たってるかもな…」

むかいんが、ぺんこうに言った。しかし、ぺんこうは、深刻な表情をしていた。

「ぺんこう、どうした?」
「…あっ、いや、すまん……気になった」
「大丈夫やろ。ここからは、落ちへんって」

真子が幼い頃、まさと一緒に、この先の崖を落ちたことがある。
その話は、おもしろおかしく、真子が話していた。

「そりゃぁ、落ちないように対策したからなぁ」

まさが応えた。

「えっ、何々? 何の話なん?」

全く知らない、理子が尋ねる。

「お嬢様が幼い頃のお話ですよ。それは、後ほど、お話しますね」
「えぇ、今でもええやん」
「お嬢様に私が怒られますから」
「それやったら、涼に、後で聞くわぁ」
「そうしてください。真子様!」

まさが、真子を呼び、近づいていく。

真子が笑顔で話す姿を観た芯は、

「気のせいか…」

呟いた。


それから、二時間ほど、ゆっくりと過ごした真子達。

「そろそろ雪が降ってきますよぉ」

まさの言葉で、その場を離れていった。

真子達がホテルに着いた頃、雪が降ってきた。



夕方、雪が降る中、真子達は、その日の疲れを取るために、温泉でのんびりと時間を過ごしていた。
男湯では、むかいんとぺんこうが、他の客と一緒に(特殊任務に就く者が三名混じっているが)、湯に浸かっていた。

「珍しいな」

いつもは烏の行水であるぺんこうに、むかいんが言った。

「…昼間の続き……」
「ん?」
「気になった…の続きや。俺、話替えたけど、ほんまは
 ちゃうことやったんやろ?」
「…あ、あぁ、あれか。気のせい」
「気のせい?」
「……あぁ。もしかしたら、真子……」

ぺんこうは、小さな声で、むかいんに言った。

「それは、あり得るよな」

むかいんが、そっと応え、

「あの資料にもあっただろ。でもな、俺たちは、どうや?」

ぺんこうに尋ねた。

「特に変化は無いな」
「俺もや」
「でもな。俺たちは、一応、落ち着いたとされてるけど、
 真子の場合は、違うだろ。それに……」
「組長は、隠したがるよな。…どうする? もし、そうだとしたら、
 ぺんこうは、どうするつもりだ?」
「分からん…。未だに悩んでることや」

ぺんこうは、湯に暫く潜り、そして、顔を出す。

「昔なら、なるようになったけど、今は違う。
 真子は、母親だ。影響が無いとも言えん。
 あがる…」

ぺんこうは湯から上がり、脱衣場へと向かっていった。むかいんは、ぺんこうを追いかけていく。



男湯から出たぺんこうとむかいんは、湯川と何気ない会話をしながら、真子達を待っていた。
のれんの下から、美玖と光一が出てきた。

「パパぁ」

美玖はぺんこうに、光一は、むかいんに駆けていく。

「おやくそく、してない?」

子供達は、父親に尋ねた。

「してないよぉ。ね、湯川さん」
「はいぃ」

にっこり微笑んで、美玖と光一に応えた。
暫くして、真子と理子が暖簾を分けて、出てきた。

「ママぁ、おやくそくしてないって」
「あらまぁ、珍しぃぃ」

真子の言葉に苦笑いする湯川だった。

「連絡、あった?」

真子が尋ねると、湯川は首を横に振っただけだった。

「ほな、ご飯いこかぁ」

理子の言葉で、真子達は温泉を後にした。

「いらっしゃいませ」
「ゆっくりさせてもらうよ」

客が暖簾をくぐっていった。



真北とくまはちは、天地山の近くに組事務所を構える地山一家の組員が運転する車で、天地山ホテルに向かっていた。

「夕飯の時間までには到着します」

運転手が、やんわりと言った。

「あぁ」

短く答えたのは、真北だった。

「ほんと、悪いな。雪が降ってくるとは思わんかったから…」
「だからって、徒歩での行動は慎んでください」

真北とくまはちは、徒歩で地山一家に向かったらしい。

「…誰に頼める?」
「西川なら、大丈夫だと思いますが…」
「客が途切れんかったからなぁ」
「そうでしたか」
「ほんと、悪いな」

真北が言った。

「もう、仰らないでください。おやっさんから言われたことですし、
 それに、親分もそれを望んで、跡目を継いだんですから。
 支配人には、すごくお世話になってますから、気にしてませんよ」
「解ってるけど、やっぱり気になるだろが。特に真子ちゃんが絡むと」
「そうですね……それで、真子様には…」
「知ってた。恐らく、まさからだと思うけどな。涙は見せてくれないさ」

そう言って、真北は窓の外に目をやった。
雪が激しく降っていた。

「……ほんまに、間に合うんか?」
「これでも、西川より上ですから、ご安心くださいっ!」

運転手はアクセルを踏み込んだ。

「って、こるるるらぁ、安全運転っ!」
「大丈夫です」

雪国育ちだからなのか、雪道の運転はお手の物。話に出ていた西川という男よりも、運転の技術は良いと豪語するだけあって、真子達が予約している夕食の時間より十分早く、天地山ホテルに到着した。
車を見送った真北とくまはちは、ロビーへと向かっていく。

「真北さん、くまはち、遅いっ!!」

ロビーにあるソファで、真子とまさが待っていた。真北とくまはちの姿を観た途端、真子が呼び、笑顔で手を振ってくる。

真北の表情が綻ぶ瞬間。

「遅くなりました」

笑顔で応え、真子に近づく真北。

「ご安心を」

真子に伝えた言葉は、これだけだったが、真子には、その言葉に含まれる深い意味が伝わっていた。

「ありがとう」

静かに応える真子だった。

「今日は、どうでしたか?」
「もうね、大変だった。特に、まささんが張り切ってて」
「お嬢様、それは言わない約束でしたよっ!!」
「ええやんかぁ。言いたいもん」
「それで、まさは、何をしたんですか?」
「思った通り、美玖と光ちゃんを、放さなかった」
「そうでしょう。真子ちゃんの時は、本当に、大変でしたからね、
 想像出来たことですよ」
「それは、真北さんにも言えることですよっ!!!」

まさが反論する。

「ほっほぉ、俺以上に仕事ほったらかしてたんは、誰や?」
「私ですが、何か問題でも?」

開き直るまさ。

「大いにあるわっ」

即答する真北。
二人の絶妙なやり取りは、エレベータのドアが閉まっても続いていた。

「……お二人とも、いつまで続けるつもりですか?」

静かに声を出したのは、まさと真北のやり取りを観ていた、くまはち。

「そろそろ到着しますよ」

レストランのある階にエレベータが到着し、ドアが開いた。そこには、

「まきたん、おかえりぃ!!」

美玖と光一の姿があった。

「ただいま、光ちゃん、美玖ちゃん」
「おちかれさまぁ!! ごはん、もうすぐだって」
「そっかそっか、ありがとぉ」
「あのね、あのね、きょうね…」

美玖と光一は、同時に真北に話し始める。今日の楽しかった時間を、真北に目一杯聞かせていた。時々、まさも話に加わり、賑やかになっていく。

「くまはち」
「はい」
「明日なの?」
「こっそりと来られるようですね」
「やっぱり、おじさんと同じように変装するのかなぁ」
「それは何も仰らなかったのですが、地山さんとは、
 真反対な性格ですから、普通に来られると思いますよ」
「そっか…。それなのに…本当に…」
「その昔、まさに目一杯お世話になったらしいので、
 その恩返しも兼ねてるそうです」
「私に対しても?」

ちょっぴり心配そうな眼差しで、真子が尋ねると、くまはちは、笑顔を見せ、

「えぇ。組長には、凄く感謝されてましたから」
「私、何かしたっけ…」
「はい」

優しく応えたその言葉に含まれる意味を、真子は悟った。

 自分が守り続けている想いは、間違っていない。

そう確信した真子だった。

「私の方こそ、感謝しなきゃね」

真子の笑顔が輝いた。
くまはちは、一瞬、心拍が早まる。

「ママぁ、くまはちゃぁ、はやくぅ!!」
「はぁい」
「はい」

子供達に応える真子とくまはちだった。



その日の夜も、賑やかなレストラン。
真子達の楽しい雰囲気が、そうさせていた。
いつもなら、その輪には入らず、厨房で張り切る男は、テーブルから動けなかった。
動きにくいような座り方を、両隣にされていた。
美玖と光一が、むかいんの両隣に座り、常に、むかいんに何かを頼んでいた。それに応えるのに夢中のむかいん。こういう時間があっても、いいかなぁ…と、つくづく思う、むかいんだった。




次の日。
真子と美玖がゲレンデからロビーへと戻ってきた。

「真子様、お客さん」

ホテルの従業員に呼ばれた真子は、振り返る。
そこには、紳士的な雰囲気を醸し出す一人の男が立っていた。真子を観て、深々と頭を下げる。

「初めまして。地山真平(ちやましんぺい)と申します。
 原田支配人には、すごくお世話になっております」
「阿山真子です。そして、娘の美玖」
「みくです。…ママ、まさしゃんのおともだち?」
「ママが、お世話になった方の息子さんだよ」
「しんぺいさん。ありがとうございます」

美玖が深々と頭を下げた。その仕草に、地山真平は笑みを浮かべた。

「こちらこそ、ありがとうございます」

子供相手でも、丁寧に受け応えする地山真平に、真子は微笑む。

「今年は、凄い雪ですね。私は初めて観ますよ」

真子が話を続けた。

「えぇ。珍しいですよ」
「夏に、ご挨拶しても、よろしいですか?」
「お一人では、駄目ですよ」
「心得てますっ。もうっ」

ふくれっ面になる真子に、地山の眼差しは和らいだ。

「親父も喜びます」
「みくもいくぅ」
「もちろん、一緒に来ようね。夏の天地山も素敵だもん。
 ねっ、まささん」

近くにまさの気配を感じていたのか、真子が声を掛けた。

「えぇ。その時は、私も一緒にお伺いしますよ」

参ったなぁという表情をしながら、まさが姿を現した。地山は軽く頭を下げる。

「支配人、くつろがせてもらうよ」

地山は、温泉に入りに来たらしい。

「どうぞ。貸し切りにしておりますので」
「では、真子様。ご自愛下さい」
「地山さんも、あまりご無理なさらないでくださいね。
 まささんは、一人で大丈夫ですから」
「真子様ぁ、まるで、私が…」
「その通りです」

力強く言った真子に参る、まさだった。
思わず笑みを浮かべた地山は、温泉へ向かって歩き出す。
美玖は手を振っていた。

「真子様」
「ほんとのことやん。あかんかった?」
「ったくぅ……」
「……変装……してなかったね」
「変装してましたよ」
「あの服装が、変装??」
「えぇ。真子様は初めてお逢いするので、あの姿が
 普通とお思いでしょうが、普段は、派手ですよ」
「そうなん??」

真子は、派手な服装を考える。
本部の若い衆が着ている服装…原色、花柄、龍の模様に、キンキラ…。

「真子様、その派手じゃありませんよ…」

まさは、真子の考えが解ったらしい。

「…ところで、みんなは?」
「時間かと思って、来ただけぇ。ほな、美玖、行こっか」
「はい! ゆきがせん!!!!」

そう言って、真子と美玖が再びゲレンデへ向かっていく。

「いってらっしゃいま………って、真子様っ!!!
 それは、駄目だと申したではありませんかぁっ!!!」

真子の体調を気にして、まさは、大はしゃぎすることを禁止していた。それは、真北にも強く言われていたこと。慌てて、真子達を追いかけてゲレンデへ来たまさは、

ばしゃっ!!!!

でっかい雪の塊を顔面に受けた。

「やったぁ!!!」

少し大きめのパチンコを雪の地面に突き刺して、まさに狙いを定めていたらしい。
顔に受けた雪を落としながら、

「どちらさまですかね…その……武器は……」

ゆっくりとした口調で、まさが尋ねる。
その場にいた全員が指をさしている方向に目をやると、

「……京介……てめぇ……」

まさの拳が、ぷるぷると震え出す。

「仕事しろっ!!!」

足下の雪を手に取り、グッと固めた雪を店長に向けて投げつけた。
その勢いと堅さは、店長の想像を遙かに超えていたのか、額にまともに受けた店長は、そのまま、真後ろにぶっ倒れた。

「……見えんかった……」

理子が呟いた。
まさが雪を投げつけるまでは、瞬きをしていたら気付かない程の早さ。

「すごっ……」

その場に居た誰もが、口にした。





楽しい二日間は、あっという間に過ぎ、真子達が帰る日がやって来た。

「結局、仕事しっぱなしやったやん…」

ふくれっ面で口にして、ちらりと真子が目線を移した先には、キルの姿があった。

「恐縮です。しかし、たくさん学びました。支配人、ありがとうございました」
「お礼は、橋にどうぞ。私は、お世話になっている方ですので」
「それでも、支配人のお話は、たくさん耳にしました………」

と続きの言葉は、まさの眼差しで射られてしまう。

「すみません…」

思わず謝るキルだった。
支配人の仕事の他、天地山病院でも働いていることは、真子には秘密。もちろん、大阪にある総合病院の橋院長にも内緒だった。

「ほな、時間やし」

真北が言うと、ロータリーに送迎バスがやって来た。新たな客が乗っているのが見えた。

「すみません、真子様。駅までお見送りしたいのですが、
 お客様のお迎えも御座いますので、こちらで失礼します」
「いいよぉ。まささん。短かったけど、楽しめたよ。ありがとう」
「ありがとぅ」

真子の真似をして、美玖と光一が深々と頭を下げる。

「夏、お待ちしております」
「うん。じゃ、まささん。がんばってね!」
「ありがとうございました。お気を付けて」

まさは、深々と頭を下げ、送迎バスに乗り込む真子達を見送る。バスが天地山ホテルを後にする。バスが見えなくなるまで見送ったまさは、支配人の表情に変わり、新たな客を出迎えた。

「いらっしゃいませ。長旅、お疲れ様でした……」



天地山から遠ざかる列車の中で、真子は自分の手を見つめていた。
微かに感じる何かがある。

まさかね……。

気になることがあった。しかし、それは、気のせいだと心で語り、目線を移した。美玖と光一は、座った途端、眠りに就いていた。
天地山での二日間、休むのは夜だけで、その他の時間は、目一杯遊び回っていた二人。それに釣られて遊んでいた大人達。
それぞれが、色々なことを忘れて、はしゃいでいた。
真子は、そっと目を瞑り……。


「眠ったか…」
「あぁ」

真子の様子を観ていた、くまはちとぺんこう。

「ほんと、大人げなく、はしゃぐからや」

ぺんこうが、呆れたような嬉しいような雰囲気で言った。

「楽しかったから、ええけどな。それにしても、キルはぁ」

少し離れた所に座るキルに目をやる、ぺんこう。
キルは、太めの冊子に目を通している。ぺんこうの目線に気付かない程、集中していた。

「ありゃ、大阪に戻ったら、没頭しそうやなぁ」
「あぁ。組長が嘆きそうや」
「その方が、ええかもな。あっ、それより、本部に残したあいつは
 どうするつもりや?」
「キルに任せる」

くまはちが応える。

「厄介なことにならんかったらええけどな」
「大丈夫や。組長の心を知ったら、どうもできんって」

くまはちの言葉に、少し不安も抱いたが、ぺんこうは、諦めたように息を吐いた。

「で、兄さんは?」

ぺんこうが気にするもう一人。視界に姿が見当たらないことから、さりげなく尋ねると、

「連絡中」

即答するくまはち。流石、周りの者達の行動を完全に把握している。

「大丈夫なんか? あの二人に任せっきりで」
「充電期間だそうだ」
「はぁ〜〜〜〜〜。もう、なんも言わんわ」

呆れたようにぺんこうが言うと、くまはちは、失笑する。



真北は、デッキでえいぞうと連絡中。何も言わず、ただ、相手の話に耳を傾けるだけだった。
眉間のしわが、増えていく………。



そして、真子達は、無事に東京駅に到着した。



真子達は、本部へと戻ってきた。
元気よく出迎える組員達に、美玖も元気よく応える。

「美玖ちゃん、どうだった?」

組員が優しく尋ねると、

「うんっ! たのしかった!」

美玖の元気な声が、響き渡った。




天地山から帰ってきた真子達は、次の日、帰路に就く。
ほんの少しの間だったが、普通の時間を過ごした。

楽しいひととき。

その先に待っているのは……。



「くまはち」

真北が、そっと声を掛ける。

「はい」
「何も起こってないよな」
「えぇ。須藤さんが抑え込んでおります」
「えいぞうからは?」
「連絡はありませんね」
「ったく…あいつは、歯止めが利かんからなぁ…」
「仕方ありませんよ」
「俺が大変やろが」
「……そうでした…」
「まぁええわ。……覚悟しとったしぃ」

軽く言った真北だが、怒りを抑えているのだけは、解った。
何も言えないくまはち。
出たのは、軽いため息だけだった。

「真子は、明日からなん?」
「いや、暫くは、家に居とく」
「ほな、うちもぉ」
「ええん?」
「かまへん。幼稚園は明後日からやし、それに合わせるで」
「むかいんは、明日からやろなぁ」
「そりゃぁ、うずうずしとったし。それに、笹崎さんからの言葉も
 あったから、益々張り切ってもぉたわ」

理子の言葉に、真子は微笑み、

「暫く、休みそうにないね…」

嬉しそうに言った。

「ほんまや。まっ、それが、うちの好きな涼やしぃ!」

自慢げに言う理子だった。

「そろそろ大阪に着くでぇ〜!!」

理子が言うと、

「は〜い!」

美玖と光一は元気よく返事をした。





AYビル・三十八階にある会議室では、阿山組幹部達が顔を揃えていた。

「ちっ…」

舌打ちをしたのは、水木組組長・水木龍成(みずきたつなり)だった。目の前に山積みにされている書類に嫌気がさしていた。ちらりと左隣に目線を移す。
そこには、谷川組組長・谷川広喜(たにかわひろよし)が座っている。谷川の目の前にある書類は、ほんの少し。右隣に目線を移すと、そこに座る藤組組長・藤優哉(ふじゆうや)が座っている。数枚の書類に目を通し、ため息を吐いていた。

「藤ぃ。ため息つくほどか?」
「ん? 付きますよっ。細かすぎますっ!!」
「それくらい、なんやねん。すぐに終わるやろが」
「……水木さん…ご自身と比べないでください」
「ほっとけ。そやけど、なんで、俺だけ、こんなにあんねんっ!」

思わず声を荒げる水木に、鋭い眼差しを向けたのは、須藤組組長・須藤康平(すどうこうへい)だった。

「全部絡んどるんが、お前やないか。それを回しただけや」

ドスの利いた声で、須藤が応えた。

「ほな、これ全部、俺ちゃうやろがっ」
「元はと言えば、お前やないかっ」
「だからって、何も俺にぃっ!! って、一枚目は川原んとこやんけっ!」

そう言って、須藤の隣に座る川原組組長・川原聖哉(かわはらせいや)に書類を放り投げた水木。しかし、投げたのは紙。勢いが足りずに、地面へ舞い降りていく。

「ばれましたよ、須藤さん」

川原が、失笑しながら言った。

「ほんまやな。あれはばれへん思ったんやけどなぁ」
「……っ、須藤ぅぅ〜〜〜!!!」
「それ全部仕上げたら、組長にはばれへんけど、どうする、水木」
「うっ……そ、それは………」

須藤の言葉に、返す言葉が無い水木は、急に大人しくなった。

「まぁ、ほとんどが、えいぞうと健で終わらしたけどなぁ。
 ったく、俺らの仕事をいとも簡単に終わらせよってからに。
 あの小島兄弟は、いつになったら、大人しくしよるんや?」

この年末年始。それまでに起こった敵からの攻撃に対し、備えていた須藤達。
真子が帰郷している間に終わらせようと躍起になっていたが、その行動は全て、えいぞうに知られていた。



動かんといてくださいね。

そう告げて、えいぞうと健は、須藤達の前から姿を消した。
暫くの間感じていた、異様なまでのオーラが、消えた。
それと同時に、真子達が無事に天地山に到着したと連絡が入る。天地山で楽しく過ごしていることも耳にした。



須藤は、フッと我に返る。

「そろそろ到着ちゃうか?」

その言葉に誰もが時刻を確認する。

「そうやな。でも暫くは…」
「明後日からやな。幼稚園が始まる」

水木が応えた。

「それからやな」
「あぁ」

それぞれが、何かを思ったのか、急に深刻な表情になり、目の前の書類に目を通し始めた。

ほんまに、なんで、俺だけ…。

周りを見ても、書類の数は少ない。
その時、フッと気付いた。

「須藤」

水木が、呼んだ。

「あん?」
「お前、なんで、それだけや? 俺と同じくらい、あるやろが」
「先に済ませただけや。悪いか?」
「あ〜の〜なぁ〜〜〜っ! それやったら、俺んとこも先に…」
「できたら、しとったわっ」

怒りを抑えて言う須藤に、

「さよですか…」

水木は大人しく返事をしただけだった。

それにしても、厄介やの…。

須藤は先に目を通した書類のことを思い出す。
そこに書かれていたのは、他の幹部の目には触れさせてはならない内容。
真子が本部の近くで狙われていた事。それも、海外からの使者たち。
須藤は、懇意にしている一般企業である貿易会社の社長から情報を仕入れていた。

未だに、組長を狙うとは。
自分の首を絞めてるようなもんやろが。

腕を組み、イスの背もたれにもたれかかり、目を瞑る。

リックの野郎…何してやがるっ!

須藤のこめかみに、血管が浮いた…。



リックとは、真子の命を狙っていた海外の組織を現在束ねる男。そのリックは、ある男から組織を受け継いでいた。
リックが仕えていた男は、すでにこの世を去っている。
リックが託されたのは、組織だけでなく、真子のこともだった。だからこそ、定期的な連絡を須藤に入れ、須藤はそれを、くまはちと真北に伝えていた。

特に問題はない。

そういう連絡が続いてたが、年の暮れから、内容が変わっていた。組織に不穏な動きを感じる…と。

真子が気付く前に、手を打つ。そうしなければ、真子が年末年始に帰郷する事に影響する。
だが、その不穏な動きは、真子に知られていたらしい。



とある国のとある場所。
そこに一台の車が停まった。ドアが開くと、一人の金髪の男が降りてきた。

リックという男だった。

「(良い天気だなぁ)」

空を見上げると、そこには、真っ青な空が広がっていた。
清々しい気持ちに思わず笑みを浮かべ、

楽しかったようですね、真子様。

遠い国に居る人へと思いを伝える。

「(さてと)」

リックは、花束を持ち、歩き出す。少し歩くと、塀で囲まれた場所に着いた。
そこは、墓地。
ためらうことなく、敷地へと入っていったリックは、とある墓の前に立った。

「?!」

毎週足を運んでいる墓地。見慣れている。だが、今、目に映る光景は、初めて観る光景だった。

「(どういうことだ・・・?)」

花束を捧げようとした墓石が倒れている。そして、土が掘り返されたのか、ある場所が陥没していた。
リックは、花束を側に置き、陥没している所を掘り始める。大きな板が箱の中に、斜めに落ちていた。
それを拾い上げた。

そこにあるべき「もの」・・・。

「(無い…。…どういうことだ?)」

リックは立ち上がり、遠くを見つめた。

まさか、そんなこと・・・。

風が、鋭く吹いた。



(2011.12.23 序章 喜び 第十五話 改訂版2014.12.29 UP)



第一章  第一話



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