任侠ファンタジー(?)小説「光と笑顔の新たな世界・復活編」

第一章 驚き
第二十一話 敵。

ぺんこうは、久しぶりにやって来た職場で、仕事を始めた。

 おっ、意外と大丈夫やな。

いつになく、長い休みを取り、仕事のことを全く考えずに過ごしていたので、もしかしたら、忘れてしまったかも…と、ちょっぴり不安を抱えながら出勤した ぺんこう。職場に着き、席に座り、仕事を始めた途端、いつもの感覚を直ぐに取り戻し、自然と体が動いていた。
同じように出勤している他の先生達と、軽く話をしながら、難なく準備を終えていく。

「明日の登校日なのですが…」

ぺんこうたちは、明日の打ち合わせを始めた。




真子が、洗濯物を干すまで、美玖は、リビングで勉強をしていた。
すでに習い終えたところを復習し、さらに二学期に習うであろう場所まで進んでいた。

「あっ」

教科書に挟まれている紙を見て、美玖は思い出す。

『ここからは、二学期に習うところだけど、
 進んでいいのは、ここまでだからね』

ぺんこうと真子は話し合い、先に進んで良い所に印を付けていた。美玖は、そこまでページをめくっていたらしい。それに気づき、教科書を閉じ、庭に目をやった。

「今日は天気が良いから、早く乾きそう〜」

そう言いながら、真子がリビングへと戻ってきた。

「美玖、終わった?」
「ママ、おでかけしよ」

二人の声が重なり合う。

「ようし! 今日は、私も楽しむ!」

なぜか、真子が張り切ってしまった。


暑さ対策もばっちり。この日も、公園へと向かう、真子と美玖だった。

「ママも、ブランコにのる?」
「他に誰も居ないなら、乗りたいなぁ」
「すべりだいは?」
「ママには、小さいかも…」

滑り台は、子供の大きさに合わせてある為、大人には、少し滑りにくい幅になっている。

「シーソーしたい!」

遊具の話をしながら、真子と美玖は公園へとやってきた。
……が……。

「だれもいないね…」
「昨日、いっぱい遊んだからかな…」
「ママとみく、ふたりだけだ!」

美玖が嬉しそうに言うものだから、真子も嬉しくなり、

「じゃぁ、まずは、ブランコから乗ろう!」

美玖の手を引いて、ブランコまで駆けていく。
二人はブランコに座り、後ろに下がり、

「いっせ〜の〜で!」

二人同時に、足を地面から離した。
美玖は慣れた感じだが、真子は、やはり、乗り慣れてないのか、ぎこちない……。
まぁ、ブランコに乗った回数が少ないのもあるが、一応、真子の運動神経は良い方なのだが……。

二人は暫く、揺れて楽しんでいた。

「ママ、シーソーしよ!」
「うん」

二人は、ゆっくりとブランコを停め、シーソーに向かって歩いて行く。そして、楽しく遊び始めた。
キャッキャとはしゃぐ美玖を見て、真子も微笑んでいた。


何かを忘れている。


真子と美玖が公園で楽しんでいる頃、くまはちは、会議室で須藤達と事後処理を行っていた。
この四ヶ月ほど、今まで接触の無かった組とのやり取り、そして、密かに行っていた制裁など、それらを驚異的な速さでまとめる くまはちに、半ば呆れながらも付いていく須藤たち。
思った通り、一番最初に根を上げたのは、水木だった。
机に突っ伏して、

「あかん…。もう、あかん…くまはちぃ」

嘆く水木に、

「まだ、始めたばかりですよ」

冷たく言い放つ くまはち。

「始めたばかりって、すでに、二時間経っとるわ。
 休憩せぇへんのか?」
「仕事中ですので」
「くまはちが、まとめてる間に、俺、ちと休憩しとく」

そう言って、会議室を出て行った。

「しばらく、私だけで行いますので、須藤さん、谷川さん、
 藤さん、川原さん、休憩してください」
「……俺らには、ちゃんと言うねんなぁ」

藤が言うと、誰もが頷いた。

「日頃の行いですよ」

顔を上げ、口元に笑みを浮かべる くまはちだった。

「……くまはち。振りまく相手、間違っとるで」

須藤が言うのは、素敵な笑みを見せる相手のことだったが、

「何をでしょうか…」

くまはちは、気付いていない。

「……天然や…」

川原が呟く。

「それが、くまはちやろ。ほな、休憩するで」

須藤は、谷川達を促し、会議室を出て行った。

「須藤」
「あん?」
「くまはち一人にさせて、大丈夫か?」

心配げに谷川が言う。

「何か心配か?」
「さっきでも、あの速さでまとめとったけど、一人になったら
 それ以上に、なってへんか?」
「それでええねんって。くまはちがまとめたやつで
 俺らで話し合う方が、ええやろ。あの速さみてたら、
 くまはちがやりたいこと、残ってるっつーことやで」

幹部の中では、一番、くまはちとの付き合いが長い須藤は、くまはちの行動に含まれる意味を理解していた。

「どうせ、真北さんは緊急召集されて、出掛けてるんやろ。
 そっちに向かおうとしとるな、あれは…」
「なるほどなぁ。…でも、ええんか?」

谷川達は、須藤組組事務所へと入っていく。
そこには、水木がソファにふんぞり返っている姿があった。

「何しとんや、俺の事務所で」

須藤が怒り任せに言うと、水木は、小さなパソコン画面を見せる。
そこには、まだ、目にしたことも無い情報が書かれていた。

「……それで、真北さん側は忙しいわけか…」

大きく溜息を吐きながら、須藤が言った。

「くまはち、行くつもりなんやろな」

水木が言う。

「まだ、くまはちは知らんやろ」
「いいや、多分、あの時、連絡入ったんちゃうかな」

水木は、会議中、一度だけ、くまはちが携帯電話に目をやったことに気付いていた。ほんの一瞬だったが、くまはちの表情が変化し、その後、驚異的な速さで、書類をまとめはじめた仕草に、疑問を抱いていた。

「水木、どうするねん」
「一応、こっちでも情報収集しとくけど、今日はここや。
 どうせ、俺らが動かんように、くまはちがまとめるやろ。
 組絡みというより、組長の特殊能力絡みやから、
 俺達を巻き込まんようにするやろなぁ」

水木は、くまはちの行動を予測しているのか、珍しく、まともな意見を口にした。
それには、須藤達は驚いた。

須藤組組事務所のソファに、谷川達も腰を掛け、そこへ、須藤組組員がお茶を出す。
それぞれが、のんびりと休憩をしていた時だった。
廊下から、組員が、くまはちと挨拶を交わす声が聞こえてきた。

『すまん。須藤さんに、伝えといてくれ』

慌てた感じで言う くまはちの声を聞き、須藤が立ち上がり、廊下へと出たが、すでに、くまはちは、エレベータに乗って、降りていった後だった。

「くまはち、なんて?」
「書類を振り分けてますので、それぞれ、対応お願いします。
 と仰ってました」
「で、くまはちは、どこに行くか言うてたか?」
「何も言わずに、行きました」
「水木の言う通りやな。情報入手してたか…。
 ほな、休憩終わりや。会議室に戻るで」

水木達を促して、須藤達は会議室へと戻っていく。

「…………な、言うたやろ」

谷川が予想していた通り、会議室の机の上には、短時間だったにもかかわらず、書類が山積みになっていた。

「これ、全部手書きかよ…」

パソコンで書類をまとめ、ペーパーレスが主になりつつある時代だが、なぜか、くまはちは、紙に書くことを止めない。まぁ、それは、機械に疎い者が居ることを想定してる行動でもある。

「…なんで、俺のだけ、こんなにあんねんっ!!」

いつもの如く、水木の分だけが、二山ほど……。
嘆き水木を無視しながら、須藤は、誰かと連絡を取っていた。

「単独行動かよ…。解った。戻ってこい」
『かしこまりました』

竜見と虎石は、くまはちに同行を断られたらしく、地下駐車場で、くまはちを見送り、事務所へと戻っていった。



くまはちは、ハンズフリーの電話で、栄三と話し中。
この日も、喫茶店は、健と東守、西守に任せて、栄三は部屋でジッとしていた。

「詳細は、まだ無理や。真北さんも収集中」
『向かってる』
「あほ。お前は止めとけ」
『こっちに降りかかる可能性もあるやろ』
「収集してからでも、遅くないで」
『二人、そこやろ?』
「あぁ」
『誰が動いてるんや?』
「真北さん側」
『そっちで処理の予定なんか?』
「その通りや。こっち来い」
『ほな、そこで、やるで。ええねんな?』
「この際しゃぁない。許したる」
『解った』

くまはちとの連絡が切れると同時に、車が停まる音がし、ドアの開閉の音の後、誰かが階段を登る足音がし、くまはちが、入ってきた。

「はやっ」

栄三が驚いたのは、無理も無い。

「兄貴、くまはっ………どうぞ、ごゆっくりぃ〜」

くまはちが喫茶店の駐車場に車を停めたところが、モニターに映り、急いで栄三に知らせようと、健は、部屋へと入ってきたのだが、健の行動よりも、くまはちの方が速かったらしい。くまはちの姿を見た途端、健は、すぐに喫茶店へと戻っていった。

「そんなに急いで、どうするねん」
「勢い余っとるだけや」
「うわ〜、須藤ら、可哀想やわ〜」

ビルでの、くまはちの仕事っぷりが、ありありと分かる栄三だった。

「こっちで、調べた方が早いやろ?」
「アクセスしても無理やで。収集中やし」
「一秒でも待てんわ」
「せっかちやな」
「ほっとけ」

そう言いながら、くまはちは、栄三の後ろから、パソコン画面を覗き込む。
そこには、次々と情報が入っている様子が映っていた。その情報を見ながら、直ぐにまとめる栄三。

「…怪我治るまで、今の俺には、これしかできへんからなぁ」

栄三は、そう言いながら、くまはちに振り返る。

「俺、何も言うてへんで」

くまはちは、振り返った栄三と目が合った。

「ほんま、ジッとしてるん、あかんねんな、栄三」
「動きたくても、動けんからなぁ」

栄三は、喫茶店の方に目をやった。

「あの場に居ったら、誰でも心配やわ」
「すまんな」

いつにない口調に、くまはちの調子が狂うが、これが本来の栄三であることは、くまはちは知っている。だからこそ、強くは出ずに、今の栄三に合わせていた。

ここでも、何かを忘れていることに、誰も気付いていない。




真子と美玖は、一緒に遊んでいた他の親子と別れ、再び、二人だけで、遊んでいた。
本当に珍しかった。
いつもなら、子供達の声で賑わう公園だが、この日は、真子と美玖だけの二人っきりだった。

「ママ、またブランコにのりたい!」
「いいよ〜!」

張り切る美玖が、真子の手を引き、ブランコに向かって走り出した時だった。

「!!?」

真子の側を風が通り過ぎ、何かが地面に突き刺さった。
真子は振り返る。
地面に突き刺さった物に気付いた。

 針…?

細い何かが、陽の光で光っていた。
同じような物が、真子の足元に突き刺さった。

「美玖、鬼ごっこしよか」
「うん!」
「ママが鬼だぞ!!」
「わぁ〜にげる〜!」

真子は、突然、美玖を追いかけるような感じで、走り出した。

「待て〜!」

真子が立ち止まり、美玖の行く先を確認してから、走り出す。すると、真子が立ち止まっていた地面に、何かが突き刺さった。

真子は、木の側に立ち、美玖が行く先を見つめ、そして、美玖が走る反対側へと一歩踏み出す。その途端、真子が立っていた側の木に、何かが突き刺さった。

 五本目……。

真子は、何かを数えながら、美玖と鬼ごっこをしていた。
真子が立ち止まった場所に、必ず何かが飛んできて、地面や木に突き刺さっていた。
しかし、それが、どこから飛んできているのかを把握できずに居た。
美玖が、足を絡ませ、倒れそうになった。

「美玖っ!」

真子が駆け寄り、倒れる前に、美玖を左手で支えた。

「あぶなかった〜。ママ、ありがと!」
「良かった…」

振り返った美玖に微笑んだ真子は、そのまま、気を失うように倒れてしまう。

「……ママ??」

美玖が呼びかけても、真子は返事をしない。それどころか、眠ったような顔をしていた。

「ママ…?? ママっ!! おきて!! ママ!!」




都村が、沢森の車椅子を押しながら、いつもの散歩コースから帰路に着いていた。

「調子は、どうですか?」

いつになく、機嫌が良い感じの沢森に、都村は声を掛けた。

「……声……」
「はい?」
「……声が……」

公園が近づいた時、沢森が小さく呟いた。
その言葉に気付いた都村は、耳を澄ませる。

「この声は……美玖ちゃんでは…?」

公園の側に来たときだった。フェンス越しに見えた光景に、都村の表情が強ばった。
小さな女の子が、泣きながら、倒れた女性に声を掛けている。

「美玖ちゃん。どうした?」

小さな女の子=美玖は、声を掛けられ顔を上げ、振り返った。

「つむらおじさん…」
「…まさか、真子さん??」
「ママが、おきないよぉ〜〜。おじちゃん、ママがぁ〜」

その声に、都村は沢森の車椅子を押しながら公園へと駆けていった。
沢森の車椅子を日陰に停め、急いで美玖の側に駆けていった。そして、真子の様子を伺う。

「真子さん、真子さんっ」

都村が呼びかけても、真子は反応しない。
息はしている。脈も打っている。しかし、呼びかけには応えない。熱中症で倒れた様子でも無いが、以前から、真子は体が弱いと耳にしていたことから、もしかしたら、それが影響して、倒れたのかもしれないと思い、

「美玖ちゃん、おうちには、誰か居る?」

都村は美玖に尋ねた。

「みんな、おしごとで、いないの」
「私が真子さんを抱えて家に行きますから、
 沢森の車椅子を美玖ちゃんにお願いしてもいいかな」

美玖は、頷いた。
都村は、真子を仰向けにし、頬に付いた砂を優しくはたき落とし、真子の腕をクロスにする。その時、真子の右手が握りしめられている事に気付いた。

 何か、握りしめてる…?

気になり、手を広げようとしたが、その手は、力強く握りしめられているのか、広げることが出来なかった。
何かの気配を感じ、都村は顔を上げた。
しかし、そこには何も無かった。
都村は、真子を抱きかかえ、美玖と一緒に、沢森の側へとやって来る。すると、沢森が手を伸ばし、真子の腕を掴んだ。

「ここに…」

沢森は、自分の膝の上に真子を乗せろという感じで、都村に言う。

「しかし、強度が…」
「大丈夫だ」
「かしこまりました。失礼します」

沢森に言われるがまま、都村は真子を沢森の膝の上に乗せる。沢森は、真子の体を包み込むかのように、腕を回した。

「真子さんの家に向かいます。美玖ちゃんは、真子さんを
 支えてください。沢森は、まだ、力が無いので…」
「うん」

美玖は、車椅子の前に回り、真子を支えるかのように、手を伸ばした。

「押しますよ」

都村が声を掛け、車椅子を押し、真子の自宅へと向かっていく。
真子の自宅に近づくと、二軒向こう家から肉屋の奥さんが出てきた。人の気配に気付き、振り返った途端、

「どうしたんですかっ!!!」

車椅子の男性の上に、横たわった感じの真子、その真子を支える美玖の様子が目に飛び込み、驚いたように声をあげた。

「真子さんが、公園で倒れたようなので、
 連れてきたのですが、自宅には誰も居ないそうで…」
「勝手にあがるのは、難しいんちゃうかな…」
「そうですよね…。この際、仕方ありません。
 暫く、沢森邸で…」
「そうやね。ほな、涼ちゃんに連絡しとくよ」

都村が言い切る前に、肉屋の奥さんは応えていた。

「お願いします」

肉屋の奥さんが自宅へ戻って行く様子を見届けながら、都村は、沢森邸へと入っていった。
鍵を開け、車椅子を家に押し込む。そして、直ぐに真子を抱きかかえ、

「ベッド、よろしいですか?」

都村が沢森に尋ねると、沢森は頷いた。
都村は、真子を抱きかかえたまま、沢森の部屋へと入り、ベッドに寝転ばせた。靴を脱がせ、真子の体勢を整える。そして、真子の様子を伺った。
やはり、真子は起きそうにない。

「一体何が…」

公園で、仰向けにしたときに気になった右手を見た。
力強く握りしめられたままの右手は、白くなっている。都村は力を込めて、真子の右手を広げた。

「……なんだ…これは…」

真子の右手の平に、針のようなものが突き刺さっていた。都村は、その針をそっと抜き、ベッドサイドに置いている救急箱から、消毒液を取り、手の平を消毒する。血は出ていないが、赤い点が付いていた。そこへ包帯を巻き、そっと布団を掛けた。

沢森と一緒に、肉屋の奥さんと美玖が入ってくる。

「涼ちゃんに連絡したら、すぐに来るって」
「ありがとうございます」
「様子はどう? やはり、体調崩したんかな?」
「暫く寝ていれば大丈夫でしょう」
「大事にならんくて、良かった。美玖ちゃん、大丈夫だからね。
 都村さん、看病になれてるから、任せとき」

美玖は、コクッと頷いた。
肉屋の奥さんは、美玖の頭を優しく撫でて、

「私はこれで」

そう言って、部屋を出て行った。
都村は、奥さんを見送りに、玄関まで付いてくる。

「真子ちゃん、体弱いらしいから、急に来たのかも」
「そうですね。連絡、ありがとうございました」

奥さんは、商店街の方へと向かって歩いて行く。
都村は、奥さんの姿が見えなくなるのを確認した後、鋭い眼差しになり、公園へと向かって歩いて行った。


沢森が、自分で車椅子を動かし、真子の側へとやって来る。美玖はベッドの側に立ち、心配げに、真子を見つめていた。

「大丈夫だよ」

沢森が、美玖に優しく声を掛ける。

「そばに、ねていいかな」
「安心すると…思うよ」

沢森の優しい声に誘われるように、美玖はベッドに上がり、真子の隣に潜り込む。そして、真子にしがみついた。

「ママ…」

安心したのか、美玖もそのまま、眠ってしまった。
二人の様子を優しく見守る沢森だった。



都村は、公園に来た。
公園には、誰も居ない。
いつもなら、子供達の声で賑わう公園なのに、不思議に思いながら、一歩踏み込んだ時だった。
陽の光が当たって、地面で何かが光った。それは、かなりの数だった。

 なんだ?

気になり側に寄ると、それは、真子の手の平に刺さっていたものと同じ針だった。
都村は、それらを拾い上げる。
木にも刺さっていることに気付き、手に取った。
公園の地面や木に刺さっていたもの全てを取り除き、それをハンカチで包み込む。

 どういうことだ?

深く考えながら沢森邸へ戻ると、沢森が玄関まで来ていた。

「申し訳御座いません」

急いで駆け寄り、車椅子を押す都村。

「美玖ちゃんも、眠ってる」

沢森の言葉に驚きながらも、都村は沢森の部屋へ向かい、真子と美玖の様子を伺った。
美玖の目からは、涙が溢れていた。
都村は、そっと涙を拭ってあげる。

「大丈夫ですよ、美玖ちゃん」

優しく声を掛けると、眠っているはずの美玖は、笑顔を見せた。




AYビル・むかいんの店。
むかいんは、昼時に向けての準備中だった。そこに一本の電話が入る。

「料理長、肉屋の奥さんから〜」
「はいよ〜。お電話変わりました〜。………えっ? 組長が?
 はい。…都村さんが…。そうですね、すぐに、戻ります。
 ありがとうございました」

 と言ったものの、俺、今日は無理やもんなぁ。

むかいんは、受話器を置き、顔を上げた。

「料理長、真子さんに何か?」

むかいんの表情を伺っていた料理人が、心配げに声を掛けてきた。

「倒れたそうだ。…って、くまはちは、どこやぁっ!!
 真北さんも、あかんし…栄三…あぁ〜もう!!
 誰も居らんやんけっ!!」

急いで連絡を取ろうとするが、尽く、連絡が取れない。
もちろん、一番始めに連絡を取ろうとしたのは、ぺんこうだったが、ぺんこうは、会議中。取り敢えず、メールを送り、くまはちに連絡をしようと思ったが、ビルを出て行くと連絡があった事を思い出す。その時に聞いた、真北の行動で、真北は暫く帰宅が無理だと悟っていた。本来は嫌だけど、栄三を…と思ったが、栄三は怪我人で、動けない。
真子の側には、誰も行けないことに気付き……。

「料理長、暫くは…」
「今日は、ここから離れられん」
「そうでした。…その…都村さんに、暫くお願いするのは
 無理なんですか?」
「都村さんに、お願いしてみる…」

そう言って、むかいんは、調理をしながら、都村に連絡を入れた。



都村は、固定電話が鳴っていることに気付き、受話器を上げた。

「もしもし」
『都村さん。向井です。真子さんが、そちらに…』
「はい。特に体調が悪い様子は無いのですが、眠ったまま、
 目を覚まさない状態です。美玖ちゃんは心配して、
 真子さんの隣で寝ております」
『その…申し訳ないのですが、今、誰も、迎えに行けない
 状態でして…』
「大丈夫ですよ。お気になさらず」

むかいんが伝えたいことが分かったのか、都村は、むかいんが言う前に、優しく、言葉を発した。

『お言葉に甘えさせていただきます。暫く、お願いします。
 一応、芯に連絡しておりますので、仕事が終わり次第、
 そちらに向かうと思います』
「承りました。ご連絡、ありがとうございます」
『よろしくお願いします。では、失礼します』

都村は、むかいんが電話を切ったのを確認してから、受話器を置いた。そして、沢森の部屋の方を見つめ、部屋に向かう。
部屋では、沢森が真子を見つめていた。

「どうですか?」

そっと尋ねる。

「起きないな…。何があった?」

電話でのやり取りが気になったのか、沢森が静かに尋ねてきた。

「向井くんも、芯くんも、手が離せないそうです」
「他の二人は?」
「……話に出てきませんでしたね…」
「…一体、その二人は、何の仕事をしてるんだ?」
「そういえば、聞いたことありませんね…」
「くまはちゃ〜は、ママのおしごとをてつだってるの」

美玖が二人に振り返り、語り出した。

「起こしてしまいましたか…すみません」
「ママ…まだねてる…。まいにちあそんでたから、
 ママつかれたのかな…」
「そうかもしれませんね」

体を起こし、ベッドに座り、真子を心配げに見つめる美玖の頭を、都村は優しく撫でていた。

「まきたんは、しみんをまもる、けいじだよ!」
「刑事?」
「うん。いっぱい、わるいひとをつかまえてるって」
「そっか。それで、帰ってくる日が少ないんだね」
「でもね、おやすみ、いっぱい、もらってるよ」
「お休み…??」

と、話している時だった。
美玖のお腹が鳴った。

「美玖ちゃん、お腹空いたかな?」
「…うん…」
「何食べたい? 私が作りますよ」
「でも…。おひるごはんたべると、ママ…ひとりになる…」

都村と沢森、そして、美玖、真子の四人が居る沢森邸だが、今も真子は眠ったままである。
昼ご飯を食べるとなれば、真子を沢森の部屋に一人残したままとなることを、美玖は心配していた。

「沢森が居ますよ」
「さわもりおじさんも、おひるごはん…」
「本来なら三食食べて頂きたいのですが、
 今日は、昼は要らん…と仰いましたので、
 沢森に、側に居てもらいましょう」
「さわもりおじさん、おねがいしていいの?」

沢森に美玖が尋ねると、ちょっぴり照れたように、沢森は頷いた。

「……なんで、照れてるんですか…」

沢森の表情に敏感になっている都村が、思わず口にしたことで、沢森は表情を引き締めた。

この家に引っ越す前は、無表情で、自分の意志も無いような感じだった沢森が、美玖達と遊ぶようになってから、徐々に感情と表情が戻り始めていることに、都村は嬉しくて仕方ないのだが、その思いを表に出さずに居る。

「美玖ちゃんの好きなもの、作りますよ!」

都村が優しく言うと、美玖は笑顔になり、元気よく応える。

「オムライス!」
「では、キッチンへ行きますよ〜」

都村は美玖と手を繋ぎ、部屋を出て行った。
ドアが閉まった途端、沢森は、真子に振り返った。
その眼差しは、とても冷たいものであり……。




会議を終えた ぺんこうは、メール着信に気付き、確認をする。

「!!!!!! 翔、今日は、あがっていいか?」

焦ったように言う ぺんこうに、呼ばれた翔は、反射的に頷いてしまう。

「ええけど、どうした?」
「真子が倒れた」
「急げっ。でも、窓はあかんっ」
「すまん。あと、よろしく」

自分の荷物を素早く手に取り、ぺんこうは、職員室をドアから出て行った。

「すばや……。…てか、真子ちゃん、怪我酷いんか?」
「至って平和のはずやろ。芯、言うてたやん」
「芯にとっては違ってたみたいやけどなぁ」
「……明日は、無理かなぁ」
「そっちも対策しとこか」
「そやな」

翔と航コンビが、ぺんこうの行動を見て、直ぐに対応していた。



ぺんこうは、車を運転しながら、ハンズフリー通話で、真北に連絡を入れる。

『なんや。なんで、車からやねん』
「なぜ、今日は、誰も付いていないんですか?」
『…なんや? 誰に………って、くまはちは?』

ぺんこうの言葉で、何を伝えようとしているのか、すぐに解った真北だった。

「ビルから出て、行き先不明。理子ちゃんは、すみれさんと
 光一君と出かけましたし、クールは未だに戻らずです」
『二人だけやったか………』
「あっ、いや、真子が倒れたと肉屋の奥さんから
 むかいんに連絡があって、今、沢森邸に居るそうです」
『沢森邸?』

電話越しに、車が急発進する音が聞こえてきた。

「……公園で遊んでいた時に倒れたらしく、
 ちょうど通りかかったのと、家に誰も居ないので、
 沢森さんところで、お世話になっているそうです
 ……てか、スピード気を付けてくださいよ」
『じゃかましい。で、容態は?』

真北の声と同時に、サイレンの音が聞こえ、ぺんこうは、思わず項垂れた。

「特に悪い様子は無く、ただ、眠ってるだけだそうです」
『何があった?』
「そこは、分かりません……って、今、どこですか?」
『現場から出たとこや。1時間かかる』
「では、私が先に………って、こんな時にぃぃっ」

どうやら、ぺんこうが車を走らせていた道路は、事故渋滞が起こっているらしく、少しずつしか進んでいない。引き返そうにも、この道は、一本道で、交差点すらない場所だった。

『取り敢えず、急ぐ』
「私もです」

二人は、同時に通話を切った。

 真子……。

ぺんこうは、逸る心を落ち着かせるように、息を整えた。




美玖の笑い声で、真子は目を覚ました。

 ……美玖? …って、ここどこ?!

真子は勢いよく起き上がった。

「沢森邸です」

真子の側に居た都村が、応えた。

「…都村さん……」
「公園で倒れていましたよ」
「……そっか…」
「一体、何があったんですか?」

都村は、真子の前に、ハンカチを差し出し、そこに挟んでいる針を見せ、

「これ、ご存じですね?」

静かに尋ねた。

「真子さんは、ずっと握りしめてましたよ」

真子は、右手を見つめる。包帯が巻かれていた。

「同じようなものが、公園の地面や木に刺さってました」

都村の言葉に、真子は口を一文字に結んだ。

「もしかして、誰かに狙われて…」
「…分からない…。ただ、何かが飛んできたのは、
 気付いていた。…家に逃げると、付けられるかも…。
 そう思ったら、公園で対応するしかなくて…」
「よくあるんですか?」
「えっ?」

真子の立場=阿山組五代目では、狙われることが多い。しかし、五代目の肩書きを下ろしている時=一般市民として過ごしている時は、狙わないことになっているのだが、それ以前に、都村には、真子が阿山組五代目だということは、話していないし、気付いている様子も見受けられない。
しかし、今、ここで明かすわけにはいかない為、応えに躊躇っていた。

「美玖ちゃんが話してましたけど、真北さんの仕事は、
 刑事だというじゃありませんか。たまに耳にしますが、
 検挙した相手に恨まれることがあると…。もしかして、
 そのようなこと、よくあるのではありませんか?」

都村の口調が、少し荒くなる。都村が何かに怒りを感じていると考える真子は、都村からの話に便乗しようと、話を合わせてみることにした。
この際、仕方ない。
自分の立場を明かすわけにはいかない…。

 真北さん、ごめんっ!!

「職場のことは、家に持ち込まないようにしてます」
「それは、真北さんご本人であって、相手は、違うでしょう?」
「…今までは、ありませんよ。そして、今回も…」
「真子さん。隠さないでください。真北さんの検挙率は、
 かなり高いのではありませんか?」
「たぶん…」
「美玖ちゃんのお話だと、よくお休みしてるとも。
 私の推測ですが…お休みというのは、謹慎では?」

鋭いところを付いてくる都村に、真子は何も言えなくなった。

「…このように、家族に迷惑を掛けるような行動は、
 避けるべきです…沢森が、そうですから…」

そう言った都村の声は震えていた。

「えっ?」
「息子さんが警官で、検挙した相手に仕返しされて、
 その際に、沢森も……その時の怪我と、息子さんが
 亡くなったショックもあって、こちらに来た頃は、もう、
 感情も体力も失っていて……」

言葉を詰まらせながら言う都村。真子は、このとき初めて、沢森のことを知った。

「そうだったんですか…」

それ以上、言葉が出てこない真子だった。

「……今日のことは良く分からない。
 もし、そうだとしたら、真北さんが……。だから、
 都村さん。このことは、内緒にしてください。
 芯にも、誰にも言わないで欲しい」

今度は、真子の声が震える。目を潤ませた真子を見て、都村は言い過ぎたと気に病んだ。

「すみません…。強く言いすぎましたね…。
 ただ、知り合いが、同じ目に遭ったのではと思うと、
 気が気でなくなってしまいました…」

都村は、真子に見せた針を包んだハンカチを、ポケットに入れた。

「…美玖…は…? 笑い声が聞こえるんだけど…」

その場の雰囲気を切り替えるかのように、真子が言う。

「お昼ご飯の後、沢森と遊んでますよ」
「……お昼ご飯……?? …一時過ぎてる…」

時計の針は、午後一時過ぎを指していた。

「起きがけで、そこまで元気だということは、本当に、
 眠っていただけだと思われます。恐らく、あの針に、
 麻酔のようなものが仕込まれていたかもしれませんね」
「手に刺さって直ぐに、意識が飛んだから…」
「そうでしたか。具合が悪いところは、ありませんか?」

真子は、そっと包帯を解き、右手の平を見つめた。
都村が、真子の手を取り、傷の具合を診ると、針が刺さったと思われるところは、傷が消えていた。

「酷くなってないようで、良かったです」
「…手当て、ありがとうございました」

その時だった。美玖と沢森が、部屋へ入ってくる。

「ママっ!!!」

真子が起き上がっていることに気付き、美玖は、ベッドに駆け寄った。

「だいじょうぶ? ママ、だいじょうぶ??」
「うん。もう大丈夫。心配かけちゃったね」

美玖は、満面の笑みを浮かべ、ベッドをよじ登り、真子に抱きついた。

「よかった!」

真子も美玖を力強く抱きしめ、

「ありがと〜」

元気な声で、美玖に言った。
笑顔溢れる母と子を見て、沢森と都村は、安心したような表情を浮かべていた。

一安心したところへ……。

「真子ちゃん、美玖ちゃんっ!!!」
「真子、美玖っ!!」

大騒ぎの源が、沢森邸へやって来た。



ぺんこうは、真子の側に座り、

「体調悪いときは、外に出ないでください」
「ごめんなさい…反省してます」
「美玖が居て、都村さんが側を通ったから
 良かったものの、もしも…」
「もぉ〜〜。言わないで…反省してるからぁ」

真子が膨れっ面になる。そんな真子を、ぺんこうはしっかりと抱きしめる。

「安心したぁ…」

美玖と沢森は、真子と ぺんこうのラブラブな雰囲気を見つめていた。

「らぶらぶなの…ママとパパ」

そう言う美玖は、ちょっぴり寂しげな表情をしていた。そんな美玖を見て、沢森は美玖の頭を優しく撫でる。

「だいじょうぶ! みくね、ママとパパのらぶらぶ
 みてるの、だいすきだもん」

沢森の気持ちが伝わったのか、美玖は笑顔を見せた。


一方、ぺんこうと一緒に沢森邸へ飛び込んできた真北は……。
沢森邸の玄関で、都村は、真子に起こった出来事を、真北に、そっと伝えていた。

「これを、真子さんが握りしめていました」

ハンカチを広げ、そこに挟んでいる針を真北に見せる。

「針…?」
「手に刺さった途端、真子さんは意識が飛んだそうです。
 恐らく、麻酔のようなものが塗られていたのでしょう。
 公園の地面や木にも刺さってました。一応、全部
 取り除いたのですが……」

都村の行動に、真北は疑問を抱いた。

「……あなたは、一体、何者なんですか? 一般市民、
 いいや、介護をするだけの人間が、こういうものに
 気付くことは無さそうなんだけどなぁ」

真北は、都村を睨み付ける。

「美玖ちゃんから聞きました。真北さんは刑事だと」
「……あぁ、そうだが?」
「今まで検挙した相手に恨まれるようなことは
 ございませんか?」

 恨まれる前に、記憶が無くなるほど攻撃するけどなぁ。

そう思いながら、真北は応えに戸惑った。

「その相手が、ご家族を狙った可能性もありませんか?」

 それは、無いけど……。

都村には、真子の本来の姿は話していない。だからこそ、本当の事は言えないでいる。

「そうならないように、行動してるんだが…」

そう応えるのが精一杯の真北だった。

「これは、あなたにお渡ししておきます。何か参考に
 なるかもしれませんので」

都村は、ハンカチごと、真北へ手渡した。
真北は、それを受け取り、懐へと入れた。

「ありがとうございます。参考にしておきます」

真北は、真子と ぺんこうが気になるのか、家の奥にある、沢森の部屋の方へ目をやった。

「……真北さん」
「ん?」

都村に静かに呼ばれ、真北は振り返った。

「敵は作らないほうがいい」

冷たく言い放った都村に、真北の眼差しは鋭くなる。
都村の口元が、ニヤリとつり上がった。先程まで見せていた温かな眼差しとは真逆で、感情を失ったような冷たい眼差しが、真北に突き刺さった。

「……つ…むら……」

その眼差しの奥に、何かを感じた真北は、それ以上何も言えず、

「…私は仕事に戻ったと、芯に伝えてください。
 このたびは、ありがとうございました」

そう言って、真北は深々と頭を下げ、沢森邸を出て行った。
都村は、真北が門を出たと思われる少しの間だけ待ち、直ぐに鍵を閉めた。そして、沢森の部屋へと向かっていく。
そして、

「真北さんは、安心して、仕事に戻りましたよ」

先程とは正反対の優しさ溢れる雰囲気で、真子達に話しかける都村だった。

「やっぱりなぁ〜もうぅ。仕事の途中……って、芯…」

仕事の途中でやって来たことに気付いた真子は、心配げに、ぺんこうを呼ぶ。

「真子の体調が良いなら、明日は仕事に行きますよ。
 理子ちゃんたちも、一緒に居るでしょうし」
「心配かけました」
「もう言わなくてええって」
「は〜い」

一区切りが付いたところで……。

「ほな! 私の調子も戻ったことだし、お世話になった
 お礼ということで、夕食、作ります〜!」

真子が、その場の雰囲気を切り替えるかのように言った。

「あっ、いや、真子さん。体調は良いと言っても、その…」
「気にしないでください! 沢森さん、リクエストありますか?」
「…お任せ…します」

沢森は、ちょっぴり笑顔を見せていた。

「ほな、キッチンへゴー!!」
「みくもぉ〜!!」

真子と美玖は、沢森邸のキッチンへと向かっていった。

「……すみません…急に……」

ぺんこうが恐縮そうに言うと、

「夕飯には、まだ、早いのですが……」

都村が時計を指さしながら言う。
時刻は、二時に近づこうとしているところだった。

「ほんとですね…。…真子ぉ〜、夕飯には、早いで〜」

ぺんこうは、急いでキッチンへと向かって、沢森の部屋を出て行った。

先程まで笑顔を見せていた沢森が、真剣な眼差しに代わり、都村に振り返る。

「一応、牽制はしておきました」

都村の言葉に、沢森は目を瞑り、軽く息を吐いた。

「……二度も、見たくはない……」

寂しげに言った沢森に、都村は掛ける言葉が見つからなかった。
二度も見たくない。
その言葉に含まれる意味は……。


真北は、沢森邸を出てすぐに、公園に来ていた。

都村から聞いた、針を見つけた場所と、針が刺さっていた角度。
それら全てを都村は、真北に細かく伝えていた。
真北は、針の角度を全て想像し、針が発射された先を特定する。
公園の奥にある建物の横から、発射されたと気づき、真北は足を運んだ。
そこは、誰も踏み入れそうに無い場所だったが、地面には靴の跡があり、建物の壁は、何かが擦れたような感じで、一部分だけ綺麗になっていた。

人が身を潜めていた形跡が、そこにあった。

真北は、何かに集中する。そして、ふと何かに気が付いた。

 まさか…な……。

真北は、建物の壁に、拳をぶつけ、

「…敵……か…」

そう呟いた。
そして、懐から電話を手に取り、どこかへ連絡を入れる。

「…今、どこや、くまはち………はぁ?
 健居るか? 分析してもらいたいものがある」

くまはちと話ながら、真北は公園を出て、駅へ向かって歩き出した。



(2021.5.3 第一章 驚き 第二十一話 UP)






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