〜その11〜 その時、わかった。 なぜ、サザエさん家のタマは、あんなにもたくさんの 表情、鳴き方があるんだろう。 疑問だった。 その時、やっとわかった。 机に向かって勉強するおねぇちゃんの足下で タケちゃんは、眠っていた。 時々、おねぇちゃんに蹴られながら。 おねぇちゃんは、足下のタケちゃんのやわらかい毛を 脚で触って、遊んでいた。 お腹の毛が、やわらかくて気持ちいい。 おねぇちゃんは、背伸びをした。 イスを斜めにして背伸びをしていた。 「ふにゃぁっ!」 今までに聞いたことない声が聞こえた。 「なになに?」 おねぇちゃんは、イスを戻した時に足下にいた タケちゃんの長い長いしっぽをイスで踏んづけていた。 「ごめん、タケちゃん。」 『もう、なにするのよ! 気をつけてよ!』 そう目で訴えていたタケちゃん。 あぁ、ネコにも、表情があるんだなぁ。 その時、また、新たな世界が開けた気がした。 ネコと人間、語り合う日がくるかもしれない。 2016.2.22 改訂版UP どちゃん!著 |