〜その13〜 布団を敷くために押入を開ける。 よっこらしょ! ん? 目の端を白い物が横切った。 掛け布団を……。 「こらぁ〜〜!!!」 タケちゃんは、押入に興味があったらしい。 この日を境に布団の出し入れをしている時に 素早く押入の中に入って探検。 おねぇちゃん、ちょっと意地悪をしてみた。 タケちゃんが押入に入っているのを知りながら 戸を閉めた。 しばらくして…… 「にゃぁおぉ〜ん」 哀しげな声が押入の中から聞こえてきた。 「ごめんごめん」 戸を開けると勢いよく飛び出すタケちゃん。 よっぽど怖かったのか、それ以来押入に入ることは なかった。 がたがたがたがた… 何事かっ!と焦るおねぇちゃん。 なんとタケちゃん、戸を開けることをいつの間にか 覚えていたらしい。 押入の戸を自分で開けて中に入っていった。 でも、押入の中には布団がいっぱい。 タケちゃんは、狭い中もがいているようだった。 ある日… 「タケちゃ〜ん、どこぉ〜?」 おねぇちゃんがタケちゃんを捜し回る声が家中響く。 どこに行ったんだろう。ん? 待てよ、さっき、押入の戸が 少し開いていたから、閉めたっけな。まさか、ねぇ。 押入を開けてみた。 タケちゃん、すやすやと気持ちよさそうに眠っていた。 「ったくぅ…」 少し悩んだおねぇちゃん。タケちゃんをそっと抱えて ベッドに移した。それでも眠っているタケちゃん。 やっぱり、そのまま押入に入れておけばよかったかな。 2016.2.22 改訂版UP どちゃん!著 |