〜その5〜 ベランダにそっと出る。 少しへっぴり腰。 首をぐぅっと伸ばして下を見る。 三つ子の魂、百まで。 この言葉が、本当に当てはまるタケちゃん。 外にあまり出ないようにと少しだけ?! 「ここに来たら、トンだよ!」 とベランダの外に……。 タケちゃん、覗いてるんだ。 おねぇちゃんが声を掛けると、あわてて部屋の中へ入っていく。 タケちゃんを胸に抱いてベランダに近付いていくおねぇちゃん。 タケちゃん、おねぇちゃんの肩を乗り越えて、部屋の中央へ。 三つ子の魂、百まで。 あぁ、確かにタケちゃんは、今でも、高いところは苦手だね。 ベランダに出ても、お隣さんのおうちへは、行かなかった。 ん? 行けなかった。 そして、タケちゃんは、『箱入りむすめ』とよばれるようになったのね。 いやはや、よかったのかなぁ。 ……タケちゃんには、気の毒だったな。 ネコなのに、高いところが苦手。 でも、そんなネコがいても、いいよね。 by おねぇちゃん 2015.2.22 改訂版UP どちゃん!著 |